「あいだ」の文脈

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「あいだ」を意識する」「どっちが先か」そして「あいだのこと」の関連です。

「A」と「B」のあいだ。

こんなこと,普段から意識しているなんてないでしょう。

善と悪。
子供と大人。
生と死。などの哲学的命題。

列車と線路。
フライパンと油。
血管と血液。などの役割の違い。

他にも,遊びとけんか。のように境界が曖昧であったり。
できないとしない。のように態度で左右されたり。

「境界の現象学」(著 河野哲也:筑摩書房)という本があります。「コミュニケーション理論」でも,その境界については述べられていますので,詳しくお知りになりたい方はそちらをご覧になることをお勧めします。

さて,以前ある方と表と裏,静と動という話をした時のことです。

このときに無意識に「どちらか」を選択しようとしませんか?
どっちが正しいかとか,真か偽かとか,考えたりしませんか?

でも,その「あいだ」に何があるのかと考えると,もう少し深いところまで考えることができるようになってきます。

あいだには差異だけでなく,共通項もあるのですからそれを探してみるのです。

表と裏とは便宜的に位置関係を定めて,一方を表と呼び,その反対を裏と呼んでいるに過ぎません。

例えば,表と裏,で考えてみましょう。
つい,私たちは表をポジティブファクター。裏をネガティブファクターと無意識に分けてしまっていませんか。でも,だれがそう決めたのでしょう?

そもそも表と裏って全く違うものみたいに考えますけど, 表裏一体,という言葉だってあります。
では,表裏一体とはどういう状態なのでしょう。

その対象となるふたつの「あいだ」。
本であればページがいっぱいあって文字化された「お話」が詰まっています。
人であれば人格が詰まっています。
その人のもつ意味や価値も詰まっています。
表面的なことと,内面的なこととも分けられます。
顔で笑いながら批判的な言葉を使うダブルバインド(二重拘束)という用語も,コミュニケーション理論には登場します。

また,暗喩というとらえ方だってできます。
その言葉を提示することで見つめる人の「こころ」に問い,イメージすることを考えてもらうのです。

表と裏に対する答えって,一つではないんですね。

これを見つめたときに考えたこと。
それが,あなたにとっての問題意識にもつながっていきます。

実はあなた自身の思考パターンがそこには現れます。
それを文脈(コンテクスト)と言うこともできるでしょう。
この文脈って,あなたの内にある問題意識ですから,当然そこにはベクトルの強さやバイアスなどもあるんですね。

こうやっていろいろ考える姿勢には,あなた自身が次への展開を予見する活力も伴います。
これを空想上の「活脈学」と名付けて遊ぶのも面白そうです。
活きるための文脈を探る学問,というわけですね。

なんにしても,愉しみながら自分や周囲を見つめること。
そこから様々な気づきやきっかけが生まれてくるのですから,みなさんもいろいろ想いを広げてみてください。

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