今日はお昼から円座にある、株式会社石川組のギャラリー&喫茶店にお邪魔しました。
築97年の酒造蔵を改装して、昨年春にオープンした場所です。
そこで「みんなの絵画展」という、参加した子どもたちが思い思いの家をイメージした絵を描いてもらって、それを飾っています。
作品展数は28点だそう。描いてもらったすべてを展示しています。
展示してある場所はこんな感じ。元酒蔵なので天井は高く、とっても広い!照明も適度に明るく、薪ストーブが二カ所で焚かれています。とっても落ち着く雰囲気です。当然ながら喫茶としても人気のお店だそうです。
このギャラリーの担当者とお話しできました。
「当社は住宅供給の会社ですから当然集客目的です。でもそれだけで終わりたくなかったのです。家を通して人と人とのつながりを大切にしたい。そこでこどもたちに夢のある生活を考えてほしい」
その願いが、今回の展覧会につながったそうです。
「ものを売る事だけでなく、長い年月の中での信頼関係を築きたい」
・・・ここには私の目指している「ことづくり」がありました。
会社として、ただ住宅を売るだけでなく、生活を大切にしてほしい願いと、長持ちする家へのこだわり、繰り返される人の営みの中で大切にされる家作り。そんな想いがこもった家の絵を描くワークショップだったようです。
ひょっとすると、ワークショップという言い方もふさわしくないのかもしれません。やってきて、参加して、描いてみたら楽しかった。なんだか家に帰って続きがしたい。そういったこどものわくわくをつないでいく活動を、普通の会社が始めているのです。利益を追求するだけでなく、お互いに価値を共有し、高め合いたいという姿勢が見えるようでした。
社会には様々なメセナ活動を実施している企業がありますが、その中でも「美術を通した活動」を深く掘り下げているのです。
それも、一様に同じ家ばかりじゃありません。これはスタッフの声かけが優れていた証拠です。
大人の持つイメージを伝えてしまうと、こどもは同じ絵を描いてしまいます。例えば「家って屋根があるよね、窓があって、このお家は何階建てかな」なんていうと、平面的な絵しかできません。ところが、どんな家に住みたい?そこでどんな生活があるの?といった、こどもの心の中からわき起こる感覚を大切にした声かけがされているように見えます。実際尋ねたところそのような回答がかえってきました。
中には写真中央のように猫を描いている子どももいます。これは「家」を通して、それを手がかりとしてイメージを広げた結果の絵です。それを認める大人の視線がそこにあります。ここで「猫が安心して居眠りできる家だね」と見るか、 「家になってないよ」と言うかで、こどもの想いも全然違うのが分かってもらえるでしょうか。
「集客目的ですが。」という謙虚さの裏に、「美術を通して」こどもたちの心を大切にする想いが詰まっている、そんな作品展でした。
まさに「まなびあい」が目指している方向性です!
展示は今のところ2月17日まで。それまでに訪問者に投票してもらった開票結果をもとに賞を決めるそうです。
ぜひ行ってみて、子どもたちの温かい想いを感じてください。
<喫茶&ギャラリー・事務所>
i-dessin 高松物語
高松市円座町979-1 tel 087-814-6711
多田さん、お世話になっております。いやー、お越しになられるならお待ちしてましたのに。本当に来場してもらってありがとうございます。また、よろしくお願いいたします。
多田さん、ネコの話いいですね。家を建てるって、どんな生き方をするかって考えることですもんね。この企画は素晴らしいですね。すべての作品を展示するってのも素敵です。
担当者さんのお話も、うれしいですね。こうした発信は多田さんだからこそのもの。
呼ばれて何気なく伺っただけなのですが、とても素敵な取り組みに感動しました。こちらこそ、よろしくお願いします。
山崎さん、そうなんですよ!ちゃんと根っこを捉えてあるからこそ感じられる子どもの気持ちが見えるんですね。コメントありがとうございます。