ことづくりとなるものづくり

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 ことづくりはものづくりのように具体的な物質性をもちませんが,出来事や思い出をプラン通りにつくり出す行為も厳密には型どおりに実行しますのでものづくりの一種です。

 これまで私が調べたり学んだりした内容を一言で簡単に整理すると,モノとは枠組みでコトとは様子です。この「一言」というのは結構分かった気にさせる怪しい存在なのですが,身近でよく聞く機会があり,なおかつ解釈幅の広い単語を用いると人は分かった気になるから不思議です。きっと解釈が容易な言葉を聞くと,分かった!と考える特徴があるのでしょうね。

 へそ思考を用いると,あらゆる対象を3領域で分割します。「なぞ(問い)」に対して「あきらか(答え)」にする内容はひとつではないという立場を取りますから「一言」ではありません。表題の「ことづくりとなるものづくり」の本質は「こころ・出来事・仕組み」で表します。

 その話はさておき,今回はことづくりとなるものづくりはあるのか,について考察しましょう。原則として,ことづくりは人それぞれの意図や価値観に左右されます。定型という固定化された仕様を求めないところに魅力があり,そこには曖昧さと同時に可能性が含まれている点をまずはご理解ください。

 共通のワードである「つくる」をへそ思考に代入すると,まずは(1)こころをつくる(2)出来事をつくる(3)仕組みをつくる の3つに分かれます。

(1)のこころをつくるとは,想いが生まれるものづくりですから,様々な刺激や感情を呼び起こしたり,印象的や象徴的な物語を組み立てるきっかけを手に入れる行為などが該当します。製作に夢中で時間を忘れて没頭している姿や,活動の様子が他の想いや経験などとオーバーラップして「料理作りは人生設計と同じだ」などのようにイメージが融合する場面などがあります。つまり【夢を広げるものづくり】です。

(2)の出来事をつくるとは,事実が生まれるものづくりですから,製作の過程で起こる手順や不測の事態に対する応答方法などが該当します。プロセスやニーズ,スキルアップ,双方向姓や対話を促進させるインタラクティブいうビジネス書に出てきそうな用語に関連する活動があります。つまり【未来を拡張するものづくり】です。

(3)の仕組みをつくるとは,根拠が生まれるものづくりですから,どちらかというと学問的な工学や哲学などの領域から内容を引っ張ってくる行為が該当します。モノとしての商品や利便性などのインターフェイスや,生産性向上や持続性などのサスティナビリティを内包するルールや法則などがあります。つまり【価値を生み出すものづくり】です。

これをまとめると『夢を広げ,未来を拡張し,価値を生み出すものづくり』が,表題のことづくりとなるものづくりとなりそうです。要はカギ括弧にくくられた内容を語れば誰がどんな言葉を用いてもそれっぽく聞こえそうだとわかりましたね。

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