解釈の共存

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事実と根拠と解釈となどで取り上げている解釈についての話はとても大切なので、まだ続きます。

さて、今更ですが、デジタル大辞泉によると、

1 言葉や文章の意味・内容を解きほぐして明らかにすること。また、その説明。
「徒然草を解釈する」「英文解釈」
2 物事や人の言動などについて、自分なりに考え理解すること。
「善意に解釈する」
とあります。

◯「白さ」を例にして
先日は白は解釈によって受け入れたり、跳ね返したりするとお話しました。

前回の「白さ」の例示は2つでした。モノゴトにはいろんな解釈があって良いのだと思いますが、人は2つあればどちらかに決めたがる傾向もあります。ですからひとつ増やしてみましょう。

「白さ」は何にでも染まるという意味と、全てを跳ね返すという意味がある話をしましたが、他にはこんな見方もあります。

光には加算混合という「仕組み」があります。赤・緑・青という3原色があり、その3つが同じ強さの光で混ざり合うことで白い色となります。
つまりは少しでも欠ける部分があると白にはならないという捉え方もできるのです。
これは関係性へとつながる解釈ですね。

こうした様々な解釈が、暗喩(メタファー)と呼ばれる例え話を生みます。
例え話は、同じ意味をもたせて難しい話をわかりやすくするために使いますが、話が上手な方はこの例え話がとても上手ですよね。私なんかはあんまり上手ではありませんので、そういう方のお話を伺うと見習いたいなぁと思うことがあります。

◯絶対のない物語
これは「物語のかたち」をつくる力にもつながっていきます。空想や理念などから、どんな受け取り方があるかを考え、本質を外さずにわかりやすく噛み砕いた道筋を考えることです。

普段からの心がけとして、いろんな解釈を未来志向で楽しみましょう。

「白さ」の例であれば、この場面のこの時はこの解釈が似合うよねとか、今の場合はどんな解釈が適当かなとか、『時と場合によって解釈の変更を楽しむ姿勢』です。

ネガティブ思考の方には、とても大切な姿勢だと思われます。

解釈には、普遍や真理という言葉は似合いません。そもそも解釈では、普遍や真理とは何か、という問いが存在するからです。その問いに対する答えに、理解に向けた解釈が大きく関わっています。

それは「絶対のない物語」とも言える、変幻自在なストーリーが生まれる関係性です。
(※絶対は身にまとえるか)

ひとつの事実があり、その根拠の見つめ方によって解釈が違えば、そこには違った意味が生まれます。

「白くなる」という事実に「光の三原色が合わさるから」という根拠があっても、混ざるのか、重なるのか、新しい波長が生まれるのか、どのような解釈(そして意味づけ)をするかによって、価値づける方向が変わります。

このように、たったひとつの「白い」にだって解釈の仕方で多くの意味や価値が生まれるのですから、言葉の選択や使い方の難しさを痛感します。

だからこそ解釈の共存が必要です。それは、自分の中にも必要ですし、相手との間にも必要です。
そして重要なのはお互いに違いを自覚し認め合った上でのすり合わせだと考えます。
それが共通項探しです。

ほら。これまでのたくさんの話がいろんなところがつながっていると感じませんか?

ですから私なんかは、国会中継などでファクトだエビデンスだとかの論戦をみていると、もっとお互いに解釈(インタプリタ)の違いを出し合って、その先をどのようにすり合わせるかを議論すれば良いのになぁと思ってしまうのです。

みなさんはどうお感じでしょうか。

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