不便益という考え方

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世の中には効果や効率のみを考える人たちばかりではありません。
遊びゴコロを発揮した見方や考え方を提唱している方もいらっしゃいます。

今回ご紹介する不便益とは、京都大学デザイン学ユニットの川上浩司先生が提唱する、生活を楽しむ見方考え方のひとつです。

不便と益という、パッと見た感じでは相反するような内容を並べてつくった造語に惹かれます。

最初の出会いはBSフジのプライムニュースでした。それを見てとても共感し、いきなりメールを出したのです。
ありがたいことにすぐお返事を頂きましたので、京都大学までお伺いし、まなびあい勉強会にお招きして、その後は川上先生の勉強会に時々参加させて頂いています。

不便益システム研究所

へそ思考で見つめると、効果や効率は「出来事」と「仕組み」の関係性から生まれます。
不便益という仕組みから具体的な出来事を探し出し、それをモノやコトに置き換えて実践し、こころで遊びゴコロを感じ取ります。

例えば素数ものさし。
素数で定規を作っています。
2、3、5、7、11と、数値が連続していません。でも1、4、6などはその素数の「あいだ」に存在しますから、数値はそこを利用することで測ること自体は可能です。
これは不便なコトをモノのかたちで具現化しています。

左しか曲がれないツアーというのもあります。
右に行きたいところがあれば、何度か左に曲がって辿り着かなければいけないのです。

このような「かたち」は、遊びゴコロがなければ面倒臭くて迷惑なことです。そう考えると、不便を楽しむにはこころに余裕が必要であることが分かります。

これからの社会には、このようなこころの動きを促すような仕組みのかたちがとても大切になってくると感じます。そこには多様性や自覚性と向き合うための仕組みと出来事がたくさんあります。

みなさんも、便利で効率を考えるだけでなく、遊びゴコロを見つめた「不便益」で生活を楽しんでみませんか。

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