今回は「能力とことづくり」の最後で触れた、プロとアマの違いについて見つめてみましょう。
この違い、意外と難しいと感じました。みなさんはどうでしょうか。
それでは、一緒に考えてみましょう。
プロフェッショナルとは、その分野で職業化できるほどの高い専門性を所持していて、その専門性を発揮して収入を得られる人でしょうか。
場合によっては、医者や弁護士、電気技師のような資格を有することが条件になる場合もあります。
上記のような大きなくくりでは「プロ」でしょうが、プロにも卓越した能力の持ち主もいれば、眉唾な自称プロもいたりしますから、本当に[信頼できる]プロと呼べるかどうかに関しては、また違った観点が必要です。
アマチュアとは、素人=初心者というレベルから、専門家もびっくりするぐらいのレベルまでの人がいます。
違いといえば資格の有無もあるでしょうが、最近では素人と言われても資格を有する方もおりますから、その知識や技術などを生業にしていない人となるでしょうね。
最近ではプロとアマの技術的差異はほとんどないのが実情です。
そうなると、やはり区別の線引きは専門性を表す基準点に達しているという「資格」に頼らざるを得ないようです。
そこで、へそ思考をプロ・アマを見分ける方法に用いてみましょう。
ここでは仕組みを理解し、機能的な要素を用いて到達予想される出来事をつくりだすことができる点では一緒です。
それが「できる」のか、それとも「やり遂げる」のか。
これも一見同じようですが、理念と空想のどちらに重きを置いているか、からみつめてみましょう。
なにかが「できる」とは、多くの時間を出来事に割いている状態です。
出来る(達成する)ことが楽しいという趣味的な要素が強いでしょうから、やっていること自体(プロセス)が大事なのでしょうね。
これは空想を重視する姿勢と言えそうです。
なにかを「やり遂げる」とは、多くの時間を仕組みに割いている状態です。
責任を負ってどんな状況でも一定の成果を収めるためには、信念をもって困難を克服するなどの失敗しない堅実なプロセスを熟知しているかどうかが問われます。
これは理念を踏まえた姿勢と言えそうです。
知識を知っているだけか、知識を使いこなせるか。
問題点を知っているだけか、対策を講じられるか。
自分で使いこなせるか、人に使わせる仕掛けを講じられるか。
そして、金銭を発生させてもそれに見合う責任と義務を果たす覚悟があるかどうか。
アマチュアなら、無理ならプロに任せようという逃げ道があります。
プロフェッショナルを自認するなら、解決できることが前提ですから簡単にあきらめるわけにはいかないでしょう。もっとも、最近では金銭を要求する割にはたいした技術も知識もない人がいて、ちょっと困ってしまうことも増えましたが。
お医者さんの世界ではセカンドオピニオンという制度があります。
別のお医者さんの意見を聞くというスタイルです。
これはプロの相互補完制度ですね。より専門性の高い人を紹介するにはまずはその状況をきっちりと分析把握する能力が必要ですし。
また、分かりやすさを求めると「制度化」されていきます。
まぁ、この制度化のメリットデメリットは別の問題ですのでここでは触れません。
このように考えてくると、いくつかの方向が見えてきました。
それは、
・ユニーク(唯一)であること。その人らしさ。
・課題解決に至るまでの責任と覚悟。
(依頼者と価値すり合わせに至る過程重視)
・自らが代価を受け取るに値すると感じる知識や技能。
・その人に代価を払ってでも任せたい周囲からの信頼と期待。
に集約されそうです。
どうやらプロとアマの差は、それを受け止める「こころ」が起点のようですね。当たり前と言えばそれまでですけど。
あなたのやっていること。
それはプロでしょうか、それともアマでしょうか。
一度じっくり自分自身を見つめてみると、あなたの向かう先が見えて来るかもしれませんね。