「仕組み」を見つける・考える
先に言っておきますが、仕組みを見つけるのも考えるのも「人」です。
「仕組み」がH.E.S.O.の図式で「こころ」からはみだしているのは、未知の領域も含むからですが、人によって感じ方が違う部分を廃した共通了解可能な領域も示すからです。
人は想像力豊かな生き物です。自分が信じる「仕組み」を当てはめてください。
注意が必要な点もあります。
例えばキリスト的教義における「仕組み」には、イスラム的教義では受け入れがたい内容もあるでしょう。あなたが正しいと思っている仕組みは唯一絶対ではなく、解釈によって様々で、捉え方ひとつで価値を感じられない仕組みにだってなり得るんです。
人との共通項を探すのなら、人との価値へのすり合わせのためにも相手の「仕組み」をよく知ることは大切です。でも、自分の価値を押し付けてしまうと、「こころ」を大切にしているとは言い難いですよね。
H.E.S.O.思考自体は論理構築という役割を担っているだけで、真理を導く公式ではありませんから、そこに意味や価値を見出すのはあくまであなたなのです。
これを勘違いすると、あなたの知りたい答えに近づけると誤解を与えかねない内容のハウツー本にありがちな、共感はできても実用に耐えない思考に陥りかねないですから注意が必要です。
H.E.S.O.思考でいう「仕組み」とは、わかりやすく「あなたが活用したいルールや法則、建物・電気製品・文法などの構造、広く知られた理論などが入ります」と記述しました。それは再現性が見込めるひとつの定式化が可能な事象を指します。
定式化とは「〇〇すれば〇〇となる」という決まりごとです。
決まりごとは確固とした信念につながりますので、いわゆる理念化された状態を生み出します。
このように見つめれば、週刊誌や漫画などに始まり、教本やハウツー本、生き方を示唆してくれるような雑誌や学術書まで、全てなんらかの「仕組み」を利用しているとわかります。
例えば漫画。コマ割りや段抜きで読み手を引きつける仕組みを用います。アクション系の漫画であれば、めくったページが前面派手なシーンで埋め尽くされている、なんて仕掛けもありますよね。
この「仕掛け」とは、仕組みを用いた「こころ」に響く「出来事」の創出で、そこには機能的な役割をもたせています。
。。ほら。
こうやってみていくと、仕組みだけで語ろうとしても、結局3つの領域に触れざるを得ないんですよね。
全てが関係し合っているっていることがこれだけでもおわかり頂けるのではないでしょうか。
また、「仕組み」の全てを人が理解できるとは限りません。
いろんなことが解明されてきた現在とはいえ、未知の領域はとてつもなく広いのではないでしょうか。
謎が謎を呼ぶ、なんていうとミステリアスでファンタジーですけど、人というのは理解にたどり着けば次が知りたくなる存在なのだそうですから、これは永遠の課題かも知れませんね。
例えば世界を構成する最小の単位は何か、という問いがあります。紀元前の昔なら4大元素なんてありましたよね。電子を構成する存在に素粒子もあります。でも、それを見つけると次を知りたくなるそうです。
で、「それは何で出来ているの?」って。
まぁ、宇宙の仕組みなんてまだ誰も知り得ていませんから。クマムシがどうやって放射線の中で生き延びるのかだって未解明ですからね。
世の中に知らないことはいっぱいです。それらもどんどん仕組みに入れちゃってください。
何度も繰り返しますが、へそ思考自体は世の中を解明する公式ではありません。思考の流れやパターン、組み立てを表しているだけで、未知の領域として解釈した上で謎を解明するのはあくまでも「人」なんですから。
だから謎が謎を呼ぶし、その謎に対する夢も感じますし、悩まされもするんですね。
「答えはある」というとその先はどうなんだとなりますし、「答えはない」というと思考停止になりがちな人の心の動きというのは、哲学者のカントがアンチノミーという難解な説明を駆使して解き明かしていますけど、それもまた「仕組み」のひとつですし。
続きはまた明日。