多元と多義と多様と

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多元性・多義性・多様性という言葉をお聞きになったことはありますか?

対象となるコト(ここでは存在など)を深く見つめると、必ずこの3つの性質にも出会います。
ことづくりでも多様性という表現をよく用いています。

まずは簡単に見てみましょう。

・多元とは、「塊」を構成する元が複数ある状態です。
【plurality】プルラリティ
(※ 英語では多数とか兼務という意味もあるそうです)

・多義とは、ひとつの対象が多くの意味をもつ状態です。
【Ambiguity】アンビギュイティ
(※ 英語では曖昧とか不確定という意味もあるそうです)

・多様とは、性質や特徴の違いが群れている状態です。
【diversity】ダイバーシティ
(※ 英語では雑多とか相違という意味もあるそうです)

それでは、例として「お金」をコトの視点で見てみましょう。お金は人やモノ、流通などの場に不可欠な存在です。
資本主義を構成する仕組みとして価値を共通化させる役割があり、流通や交換、管理や蓄積などの機能をもちます。これは多元的です。

次に「お金の使い方」と言われてあなたは何をイメージするでしょう。
使い方に対する意味や価値を考えていくと、先ほどの機能が世の中の出来事を演出する潤滑剤や、様々な人々の生きがいにつながります。これは多義的です。

そして、お金は発行体のこだわりが最も現れます。硬貨やお札、金額の大小や図柄や伝統的な模様、国によって発行される種類や名称や値もさまざまですよね。これは多様的です。

おおよそ「人」について語った文章ならこんな感じでしょうか。

「人」は様々な有機体が構成しあい機能を生み出して一個の存在をかたちづくっています(多元)。人が地球上に存在する理由は様々です。進化過程の結露とか、種の繁殖と地球破壊が同時進行する存在とも言えます(多義)。そのひとりひとりを見つめると、個や種族としての括りにおいて様々な変化に対応できる性質をもっています(多様)。

こうして分けるから「へぇー」って思いますが、分けなくてもあんまり違和感はないですし,そもそも分ける必要あるの,なんて感じもしますよね。普段はいちいち意識しませんから。

ということは、みなさん意識しないだけで、ちゃんとこの3要素に触れているのです。

これらも全て「こと」です。
なにしろ、人が行う思考自体がコトですから。

どんなコト(要素)であってもそれらが未分化な状態は、境目なくるつぼで溶けあった状態ですから、全てがごちゃっとして、分析項目が少なくて、そのうち自分が何を考えているのか,どうすればいいのか,混乱しがちです。

そうならないためにも、俯瞰の姿勢を忘れないでください。
俯瞰するためには、分析項目を明確に自覚するための糸口を見つめることも大切なのです。

たまにはこうやって言葉の意味を探る姿勢を楽しみたいですね。

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