美術教育の目的が、ものづくりの技能向上だけではないことが知られるようになってきましたが、認知度はまだまだ低いように感じる場面が多々あります。
今回は美術に限らず、授業の際に先生がたがつくられる指導案をもとに「ことづくり」の立場から見つめてみましょう。
今回はへそ思考をこう使いました。
仕組み−題材観
出来事−指導観
こころ−児童観(生徒観)
必ずしも上記のようにきっちり線引きできるわけでもありませんし、する必要もありません。
考えかたのひとつの方向です。
なにしろ変数を変えるとすべてが変わる公式ですからね。
題材観を書いているのに児童観や指導観が重複しがちな方は、これを手がかりにしてみるのも良いかも知れませんね。
ここには美術教育とは無関係のお仕事をしておられる方もいらっしゃるので、超簡単に。
題材観(ここでは「仕組み」)は、授業で用いる素材や道具など特徴をもとに色やかたち、組み合わせなどを検討した部分です。
指導観(ここでは「出来事」)は、想定される子供の活動内容などです。
児童観(ここでは「こころ」)は、その際に生じるであろう児童の感覚や心情などの動きです。
その3つを方法論(授業のしかけなど)でつなげる中心に、その先生が意図する授業の意味や価値があります。
例えば、こう考えてみましょう。
仕組みと出来事は活動で生み出すかたちを見つめています。
こころと出来事は活動で起きるプロセスを見つめています。
こころと仕組みは活動の中で目指したい方向を見つめています。
こう考えると、指導案の左側で先生がたはことづくりを記述しているんですね。
それも時間をかけて、綿密に。
見る。感じる。考える。交わすなど、なんらかの「対象」と関わる時、人はことづくりをしています。
今一度、どんなことをさせたいのかやどこを重視したいのかなどを考えるきっかけに、へそ思考をお使い頂けると嬉しいです。