11月19日(土)に第二回まなびあい勉強会を高松市美術館にて開催しました。
講師の先生は、武蔵野美術大学教授の三澤一実先生。前半は「全国の事例に見る図工美術」と題しての講演です。 後半は参加者から感想や質問を受けて三澤先生に答えて頂きました。
参加者は中学校2名、高校2名、大学1名、美術館2名、一般2名の参加でした。
今回もいろいろな立場の方が集合しました。
三澤先生からは、最初に指導要領のお話や概念的なお話を頂きました。
時代とともに変化して行く学びの中で、現在出されている答申の中から「開かれた個」という言葉が用いられている所に焦点を向けて、開かれた個によって美術に新たな目的が生まれてくるのではないかと、転換期を迎えているということでした。
生きる力を語るキーワードとしてのキーコンピテンシー(主要能力)では
1 社会、文化的、技術的ツールを相互作用的に活用する力
(自己と社会との関係)文化、社会との関わり
2 多様な社会グループにおける人間関係形成能力
(自己と他者との関係)コミュニケーション能力
3 自立的に行動する能力
(自己、自律)
の3つがあることや、
自分の考え方を外に出すことでコミュニケーション能力が身についていく。そのためには美術(アート)を通してどんどん情報を発信していく能力が必要だが、身につけさせられているかという問いかけなどを通して、全国の実践事例を紹介して頂きました。
また、評価についても「評価=子どもを伸ばすこと=指導」であって、子どもを伸ばすための方策を十分吟味して活動展開できているかといった問いかけもありました。
印象に残っているのは、言語活動に関することで、美術というのはことばにしきれない所に美術の必要性があり、単に言葉の表現力が増すだけでは意味がなく、色や形を意図的に使う所にことばが生まれる、ということでした。
表現したいものがあり、その表現をするための様々な試行錯誤や工夫、悩みがあるからこそことばで語れるこだわりの部分が生まれるということでしょう。
もうひとつは「非日常(非現実社会)と日常(現実社会)をつなぐのが美術である」というお話でした。内面の世界と、実際に活動している世界は違うという捉えです。例えば実際に空を飛んだりすることはできませんが 想像の世界では出来る訳です。そこに美術の有用性があり、だからこそ美術を活用した生活を送ることが心の豊かさにつながって行くのだろうと感じました。
まなびあい勉強会の特徴は、一つの職種や業種にこだわらずこのような少人数でお互いが美術を通してつながりあい、意見を聞き、刺激を受けることができることです。そしてそれぞれの持ち場(職場)でその得たものを生かして頂く流れができればすばらしいことですね。
次は1月22日。京都造形芸術大学の福先生をお招きしてご講演頂きます。
どうぞ、ご期待ください。