自分らしさとは

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先日ムサビに「生涯学習とミュゼオロジー」の授業内での特別講師としてお伺いしました。
「あなたらしい暮らしづくり」がことづくり生活の主要テーマで,その一環としてH.E.S.O.思考があるのですが,学生から提出されたレポートを拝見して,「自分らしさ」について改めて私見を返信させて頂きました。
その内容の一部抜粋を掲載してみようと思います。

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自分らしさって,どこかにあるからそれを見つけ出す,のではないと,私は思っています。

ところで,自分らしさの枝葉末節は様々なかたちがあります。

日々の暮らしの中で数多の意味や価値と出会い,達成感や挫折感などを味わい,時には頑固に自己主張したり他者とすり合わせたりしながら,自分と向き合う過程で変化するかたちです。

今ずるいことを考えても自分らしさ。厳しい姿勢も自分らしさ。流行に無条件に乗るのも,山にこもってサバイバルで生活するのも自分らしさ。

その時々に自分が選んだスタイルって,自分らしさのあらわれなんですね。

つまり,今のあなた自身が「自分らしさ」そのものです。常に答えは自分の中にあるからこそ,否応なく自分と向き合う状態づくりが大切なのだと思います。(これが結構難しいのです。。)

成長について質問した学生がいましたね。

成長の本質って何でしょうか。例えば精神的成長,経験的成長,生物学的成長の具体を挙げてみて,その3つが共通する内容,そこに求めたい本質と出会える可能性が高いのではないかと推察されます。このようにすれば,自分らしさの本質を探ることもH.E.S.O.思考では可能です。

ゆとりについての質問もありましたが,多くの人が見失っていたかも知れない本質を是非探ってみてください。見方感じ方考え方によってゆとりのどこをどうとらえるかが違えば,意味や価値は様々に変わります。そういったお話をもっとできれば良かったですね。

H.E.S.O.思考は,ひとつの答えを示してはくれません。

自由意志を尊重し,自分と向き合うきっかけをつくるだけです。

自分のことは自分でもよくわからないことがあります。ましてや他人が100%理解できるはずもありません。だからこそ,常に【未来志向】で自身の可能性を試し続け,「自分らしさ」を更新し続ける状態づくりが大切だと考えています。これが「ことづくり生活」につながるのです。

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未来志向に必要な要素は「アイデアと行動力」ではないでしょうか。
まずは一歩を踏み出す。
そこには壁や不安もあるけど,可能性もあります。

この話をしようとするといつもギリシャ神話のパンドラの箱を思い出します。
プロメテウスによって人々の厄災を閉じ込めた箱を預けられたパンドラはそれを好奇心から開けてしまうと言う物語ですが,箱の隅っこに小さく震えて残っていたのが希望となっています。
この希望こそ,可能性を試すことじゃないかなと,私は思うのです。

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