人がする「こと」3

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前回はH.E.S.O.思考を「仕組み」から見つめました。
今回は「出来事」を中心に掘り下げてみましょう。

デジタル大辞泉には、「社会や身のまわりに起こる事柄。また、ふいに起こった事件・事故。「一瞬の出来事」」とありました。
こころの領域である、感情面が含まれない事実のみが取り上げられるとわかります。

「出来事」を体験する。つくりだす

まずはH.E.S.O.での簡単な説明から入りましょう。
ここでの出来事には、「あなたの身の周りに起きる事実、何かに関わった時の状態や経験、伝聞や史実などが入ります」としています。

今、目の前に起きているコト。これは現実社会でたった今、自分の前で繰り広げられた事実が連続する状態です。意識してはじめて見える、という条件もつきますが。

「出来事」は何かしらの仕組みを基にして起こります。それは現在に限らず、過去に起こった史実などがそうですし、可能性としての未来に起こりうる状態だってそうですね。

そこには厳密な関連性があるのですが、解明されているコトと未解明なコトがあり、どちらの領域も科学者と呼ばれる人たちが多方面で分析し続けています。
何事も絶対と言い切ることは難しいのですけど、仕組みがわかっているから再現性が担保されているんですね。

人が関与できない出来事ですが、これは仕組みを全く、もしくは一部ないしは完全には把握していないという言い方もできます。

例えば太陽が燃焼する仕組みは結構解明されていますが、そのスケール感や条件においても関与は一切出来ないですよね。
人間が太陽の燃焼に意図的に参加することはスタートレックのようなSF映画のような世界でなければ不可能です。この出来事は「空想」の面を帯びますが、これは「物語」という出来事の記述と言えます。

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さて、ここで整理していきましょう。
人が関与できる「出来事」は、仕組みを理解し操作できる状態と、無理解で起こる状態と、結果から認識できる状態などがあります。(空想は後に回します)

動的か静的かと言えば、「出来事」は目の前もしくは想定されたタイミングでで起こる訳ですから、時間軸上で変化し得る動的な要素をふんだんに含んでいる「コト」です。瞬間の静的な対象が時間軸でつながって対象の連続が起こると、様々なきっかけや可能性から多方向へと向かう、作用と呼べる動的な状態が生まれます。
このように、出来事は時間で捉えますから、空間のありようには縛られないんですね。

1000年間安置されつづけている仏像の拝観に寺院を訪れ、私たちが目にして感動するような出来事の裏で、風化や劣化という化学的な変化という出来事も同時に起きています。
このようにひとつのモノ(対象)には、同時に複数のコト(状態)が起こり得るのです。

続きは次回へ。

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