PDCAと向き合う姿勢

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よく、仕事や人生を語る際にPDCAサイクルの話が出て来ます。

聞いたことがあるかと思いますが、PDCAとは、プラン(計画)ードゥ(実行)ーチェック(分析)ーアクト(改善)の頭文字をとった行動様式のことです。

これをぐるぐる回して業務などの改善を進めていくと言う考え方ですが、私にはこれは心情を把握し共感し、未来志向へ導けるとは感じられないのです。

未来志向の「理念」に身を置き、全体俯瞰への「空想」を広げ、様々な「機能」を活用できているのでしょうか。

客観性を意識しすぎて主観性を忘れているような、知力があっても胆力がないような、エンジンとガソリンがあってもキャブレターがないような、つなぎ役や混ぜ合わせ役などがいないような、あるべき前提があるための必然が問われていないような、奇妙な感じを受けるのです。

現実的にはサイクル(循環)のプロセス(課程)よりもモチベーション(目的意識)の持続でしょうから、これを回すためにやる気を引き出す「仕組み」をいろいろ苦心しているようですね。

さて、それではサイクルを回すために、どんなプランを立て、どう動き、何をチェックし、次への改善を探るといった具体的な内容はどう設定すれば良いでしょうか。

多くはそこを知りたいのですが、全ての人に共通する具体例を示すのはなかなかに困難ですよね。それができていれば、今頃みんなホクホクの笑顔で充実感に満たされているでしょうから。

私の違和感は、そもそもPDCAという「機能」的な手順を決められること自体なのかも知れません。
機能は、根本的に心情に寄り添っているとは限りません。客観的事実を積み重ねて、「きっとそうだ。そうにちがいない。そうであるべきだ」のように理論を構築しているかに映るのです。

私はPDCAの専門家ではありませんが、人によっては様々な事象にPDCAを無理矢理当てはめている気がします。
単なる原因と結果の組み合わせだと、複雑な関係性までも考慮ができないのに、です。

自転車のペダルを漕ぐとギヤが回ります。
それはチェーンを回します。
チェーンは後輪を回します。
前に進むのでハンドルで操作することが必要です。
時には止まるのでブレーキが必要です。
効率よく加速するには変速機があると便利です。
夜は安全のためにライトが欠かせません。
といった具合に、単純な関係性で成立している仕組みなら、その都度のPDCAはわかりやすいでしょうが、多種多様な条件や事態などを当てはめようとしても、答えを導くことはなかなか容易ではないでしょう。

世の中には多元性・多義性・多様性をもつ様式が無数に散在しています。それを単なる行動様式でつなぐことは難しいだろうなぁというのが、私の考えです。

そんな中で、ひとつだけ言えること。
それは自身の内か外か、の区別ではないでしょうか。

内なる世界に制限はありません。自分の価値基準の範囲で好きなことを好きなように操作できます。
ところが外の世界は、自分の価値感では理解できないことも多数存在しています。
内と外との接続部分にこれを用いると、様々な人の思いが交錯してしまう事例を見かけます。その際は、共通項探しのような意見のすり合わせが必要になります。

意識的にすり合わせをすれば問題ないのですが、往往にして自分の想いを押し付けがちになります。

こんなに考えたのに。
これを試したいのに。
これが良いと思うのに。。

そうなりがちな人は、PDCAのサイクルを内なる世界に限定するのが良いでしょう。誰かと共にPDCAを動かすことは不可能です。
だって、答えは常に各個人の内にあるのですから。

また、できるならPDCAにことづくりの姿勢を組み込んで、いろんな場面を想定してみてください。

みつめて・ひきだし・たかめて・みまもる
この4つの姿勢は、心のありようを示しています。
こちらは特に順番が決まっているわけではありません。

この姿勢を心掛けて、あなたの内にある答えを探す旅に出かけてみませんか。

あなたがあなたを信じること。
未来志向で自分と周りを見つめて。

やはり「ことづくりの基本姿勢」が一番大切だと思うのです。

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