「かたち」をつくる

LINEで送る

今回の投稿はことづくりの基本です。
(昨年の投稿内容を再掲しようとしたのですが,少し改訂しました。)

かたちづくりを見つめて,
みなさんは、普段なにかを「つくって」いますか?

そう聞かれると「うーん」と考え込むことが多いでしょうか。
普段は何かを意図的に「つくっている」と考えて生活を送っているわけではありませんから、食事を作っているよ,などの回答が多く寄せられます。

では、質問を変えてみましょう。

どんな「想い」を描いて(つくって)いますか?

心の中で想いを「つくる」。

これは物理的な,物質的な存在をつくっているわけではありません。
夢や希望、不安や焦り、絶望や落胆、悠々自適さ。
これらも、こころの「かたち」と言えますね。

感情という要素の喜怒哀楽に愛憎を含めて、仏教では6情という考え方があるそうです。
加えて、時間的、空間的、経済的な束縛から解放されたいという願いや、理想をかたちにしたいという情熱など。
ものなら目の前に見えますが、「かたち」とは物質的とは限りませんから,こころで感じ取る必要のある存在だってあるでしょう。

まあ,物質であっても人の目では確認出来ない、気体のような存在だってありますし、立ち居振る舞いという所作や、技術や知識、制度や文化、仕組みなどもひとつの「かたち」と考えられます。

つまり、意味や価値などの根っこがあって、その枠を「かたち」と表現しているということでしょう。

そのように考えると、モノやコトには「かたち」があります。
かたちをかたちたらしめているその、根っこ。
他ならぬあなたの心が、そこにある「かたち」を認識していると考えることだって可能です。

そして「つくる」。
これはあなたの行為ですし,あなたが操作することです。
主体となる対象者が、素材となる対象に変化を与えます。
あなたの意図に関わらず、なんらかの作用を生み出す動きも起こします。

さて、私が考える。
それを「かたち」として受け止める。
これらは状態や事態、出来事や物語などがあると言われます。様々な表し方で出現させる(表現する)と、そこにもかたちが生まれます。

表現方法は大きく分けて、言語、音、造形、身体の4つがあるとされています。

また、人間の感覚には、触覚、視覚、嗅覚、聴覚、味覚の5つがあると言われます。
人によっては第六感という直感も含めるようです。

あなたが気づき、考え、判断し、行動し、検証する。。
その繰り返し。ここには全て「こと」というかたちがあります。
また、ものを通してことをつくる、こともあります。

表現しようと思っても、上手に「かたち」にできないこともあります。
想いとは関係なく、気がついたら別の「かたち」が見つかった、なんてことも起きます。
偶然の産物、なんて言われる場合もありますね。

ひょっとすると条件を自覚できていないだけで、なにかしらの必然なのかも知れません。
そう考えると、ちょっとワクワクしませんか?

誰かに与えられることでもなく、一般化されることでもなく、こうやって、考えるコト。それ自体がとても大切なのです。

さて、「かたちをつくる」を整理してみましょう。

どんな「かたち」にするか、を思い悩むよりも、
そこに「かたち」がある、と想いを馳せること。

そこに現れた「かたち」を受け止めましょう。
他ならぬあなたにとっての大切な「かたち」が,そこにはあるのですから。

(HP更新整理のため再掲,2016/4/26HP掲載)

カテゴリー: ことづくり生活 パーマリンク