人は何を身にまとうのか1

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畑の野菜たちは品種にもよりますが、実になる野菜であれば基本的に種から芽を出し、葉を茂らせて大いに成長し、実をつけます。
葉物と呼ばれる、葉を食べる野菜たちも旬を過ぎれば花を咲かせて種をつけます。
根物と呼ばれる人参など根を食べる野菜たち、ツルを伸ばすさつまいものような野菜たちもいます。

共通して言えるのは、身から生産した物質を身にまとい、成長し、その役目を終えて次の世代へと命をつなぐということ(「出来事」や「仕組み」)です。迷いなく、ただ一途にそこを目指しているかのようです。

一方、人は密林で猿や狼に育てられたのでもなければ、裸のまま一生を過ごすことはないでしょう。

産まれておくるみ(肌着)に包まれ、成長の過程で暑さ寒さをしのぐ衣服を身につけ、嗜好によって気分によって身につける衣装を選択し、最期も見送られる際に白い装束に包まれます。

着衣というモノ以外はどうでしょうか。

装身具(アクセサリーやバッグなど)や自家用車などの移動手段、住む場所までに話が広げることもできそうです。

食べるものでも、健康を身にまとうという考え方もできそうですね。
その場合の「健康」は、モノをきっかけにした機能や考え、つまりコトです。

人は生きているという日常生活の過程で、非常に多くの「こと」を身にまといます。実は人に限りません。ただし、それを自覚的に意識している生き物はほとんどいないでしょうけどね。

価値観や信仰心、正義感や罪悪感などの「こころ」。それら今を生きる世界を構成する「仕組み」や培ってきた「出来事」など。

これらはモノ(物質)ではなく、コト(事象など)です。
あなたの心に積み重なってきて、そしてこれからも積み重なっていく「こと」。
それらを自覚的につくりだして行こうとする姿勢がことづくり生活なのです。

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