■ことづくりの循環

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前回、財団の活動方針について簡単にまとめました。

今回は主要方針である、ことづくり生活のサイクルについて簡単にお話しします。

これまでにことづくりについて様々な場所でお話をしてきましたが、より大きな枠組みでことづくりを捉えようとして、説明が複雑になってきたこともあり、役員会を機にもう一度見直しました。

活動内容である
1 ゆかいスタイル
2 まなびあいスタイル
3 ともにスタイル
全てに関わることづくりの姿勢として「みつめて、かかわり、つなげて、さぐる」を挙げていますが、その部分の詳細な説明となります。

これまでに多田が発表してきた、ことづくりについての研究内容をご存知の方なら聞き慣れた用語が登場していると思って頂けるでしょう。
ひとつずつ説明すると長くなりますので、今回はさわりだけとして、より詳細な説明は別の機会とします。

さて、ことづくりの循環、つまり、ことづくりサイクルですが、
1 みつめて、きづく段階
2 かかわり、ためす段階
3 つなげて、たかめる段階
4 ながめて、さぐる段階
(ながめて、あたためる)
としています。
(良い流れ、を示しています。実は悪い流れというのもあります)

まずは、自分や周りをしっかりみつめること、普段見過ごしている点や当たり前と思っている点にもう一度、自分の意識を向けてみることからはじまります。それは、問題意識や、もう一度受け止め直すことや、何かとじっくり向き合うことかも知れませんね。それぞれの人にとっての受けとめ方で、まずは「気づくこと」を大切にしてください。(受け入れ、でないところが肝心なのです)
気付けたかどうかではなく、気付こうとする姿勢を自覚することなのですが、これ以上の説明はここではやめておきます。

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次に関わりながら試す段階です。ひょっとしてこれも良さかな、気づいてなかったけどこんな点もあったな、ということを探し、試していきます。
気づきを得たら、次はその要素に対して働きかけること。

それと同時に起きる活動がつなげて高める段階です。どこをどうつなげると、これまでとは違った見方考え方などが生まれるだろうか。もっと完成度を高める方法はないか。もっと、他に何かないか、別の考え方はないか。それらを組んでは崩し、組み直しては試します。ここではこだわりが重要ですね。

そして、出来上がったらそれを俯瞰します。
外から眺めてみます。別の見方考え方感じ方はないかと探りながら、時間をかけます。この時間経過も重要な要素です。
人は興奮するし、落胆もします。感情の起伏があるのですから、いろんな条件で見つめることが大切です。時間経過によって安定・固化したり、成熟・劣化したりだってあります。

あれれ。。
探る、という言葉が全ての段階で出てきますね。

これは全体を通して考えるために敢えて最後に入れてあるのです。
大きく間違っているとは思っておりませんが、これで完成、とも思っていません。
もっと、時間をかけてブラッシュアップを図っていこうと考えています。
暖かく見守っていただければ嬉しい限りです。

また、このサイクルは大きなプロジェクトを企画したら、このプロセスで流れていく、ということではありません。
小さなサイクル、大きなサイクルの全てに、繰り返しこの過程が動いていることを自覚すれば、自分が今どのあたりにいるかを把握しやすくなります。
そしてどの循環部分に力を入れるか(つまりバランスですが)を意識しながら自分の目指したい方向を作っていくことです。

例えば、PDCA(プラン・ドゥ・シー・アクション)を考えなさいと言われたときに、この仕組みを理解すると考えやすいでしょう。

これは、「ことづくり」でくくっていますが、音楽や美術、スポーツなど表現活動全般や教育にも当てはまります。それはそうですね。人が考え、より良い方向へ進もうという姿勢をもつということは、ことをつくっているのですから。

以上、簡単すぎるぐらいですが、
細かなお話は「ことづくり夜会」にぜひご参加下さい!

最後に。
とある経営者、コンサルタントと名乗る方とお話しする機会があります。
ネットでも様々な方が声をかけてきます。
中には尊敬できる方もいらっしゃるのですが、残念ながら大半は眉につばをつけて話を聞かないといけない人たちです。

その時、この仕組みのどこをこの人は語っているのか、と分析的に聞いていると怪しさが際立ってきます。一番多いのは自分のやり方や価値観を喧伝したいタイプですが、その方は「見い出し・引き出し」を軽んじています。
いえ、正確には「やりたいこと」がその方の話し相手であるこちらではなく、自分に向いているのです。それで企業コンサルタントというのですから本当に不思議ですね。

みなさんが「ことをつくる」時だけでなく、周囲を見渡した際にどんな「こと」をつくろうとしているかを分析する時にも役立つこのサイクルを、何かの機会にご利用いただければ幸いです。

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