ずいぶん昔に情報教育について研究する機会を得ました。
当時、コンピュータが学校に入ってきたものの、それをどう活用するかという点で、リテラシーの充実が行われていましたが、私はずっと違和感を感じていました。
コンピュータが苦手な人に対するアプローチにはなっていなかったからです。
「別にそんなもの、なくてもいいよ」に対する答えが出ているとは言いがたいからです。
この情報教育が始まった頃、「使った方がより効果的である」という論が中心でした。そに対しては、現代社会の刺激のみを求める風潮を理解せず、興味関心が強まっただけで情報機器が有効であるというのはおかしい、といった見方もありました。
「情報」とは何でしょう?
私は「様々な価値の表現物(モノ)」だと考えています。
人によって、思想によって、時代によって(モノ)の形や手段は変化します。
自然界にも存在します。受け取る側のアンテナに引っかかるものが「情報」です。
氾濫する(モノ)の中で自己の確立を目的とすると謳いながら、情報操作している指導者がいたらどうなるのでしょう。求める方向に導くだけでは扇動者と区別できなくなってしまいます。ですから、私は結果に至るまでの過程をもっと深めてほしいと願っています。
最近は少しずつ変わっているようですが、未だに機器に振り回される研究を散見します。
「情報活用能力の育成」なのですから。関心意欲の次にあるものを「系統立てて」頂きたいものです。