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(公式ページに掲載しています)
H.E.S.O.思考(へそ思考)とは,普段の生活で起こる「こと」をしっかりと見つめ,「あなたらしさ」を「かたちづくる」ための思考方法です。
もともとは美術教育論から出発しており,私のライフワークとなった「ことづくり」研究を続ける中で,心理学や哲学に触れて現在の「かたち」となりました。
・こころ Heart
・出来事 Event
・仕組み Structure
※これら「対象」群(Objects)
全ての「こと」を大胆に3領域化して,世界を捉えようとするひとつの思考方法として考案しました。その頭文字をとったのがH.E.S.O.です。
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【基本】
基本理論は、現象学(哲学)などを参考にしながら独自解釈も加えています。多様性の中で二項対立を避けつつ共通項を探り,揺らぎの多い日常生活の中で自分らしさの意味や価値などを見つめる姿勢を大切にするための思考です。
特にお作法的なルールはありません。
単なる数学公式のような組み合わせがあるだけです。
周囲と中央の,どこから見つめても構いません。
3つが組み合わさって関係性を構成しており,どこに何が入るか(対象化された事態,それに伴う作用など)は見つめるあなたが任意に代入することで,それぞれの関係性において変化する内容が視覚的に理解できます。
また,当てはめた場所からぐるぐる移動したり戻ってきたりすることもあり,「こと」とは不確定で流動的な要素をもつことも視覚的に確認できます。
( ※ ○○はこの領域に入る,という絶対的な決まりはありません。○○をあなたが代入したい領域に入れることで,あなたの思考に幅が生まれます)
継続性を示す際には,基本的には本質部分を時間軸が貫く構図となるのですが、状況に応じて3領域の上[※ 厳密には,注目したい対象内容が本質部分へと移動する]へと変化する場合もあります。
( ※ 本質に対する新たな問いが生まれると,3領域を見つめ直すきっかけができます。その際に注目したい内容を中心に引き寄せて,新たにその本質を3領域に向けて問い直します。このとき,軸の位置は見かけの上では周囲から中心へと移動しています。それは作用が対象化することで問題解決への糸口を探る思考となるからですが,これ以上は難しくなるお話ですのでここでは控えます。)
・こころ ー あなたの五感から得た様々な情報,喜怒哀楽などの感情,取組への意欲や態度などが入ります。
・出来事 ー あなたの身の回りに起きる事実,何かに関わったときの情報や経験,伝聞や史実などが入ります。
・仕組み ー あなたが活用したいルールや法則,建物,電気製品,文法などの構造,広く知られた理論などが入ります。
あなたなら,どの項目にどんな「こと」が入るか,いろいろ試してみてください。
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【周囲の重なり】
重要な考え方のひとつとして,こころ・出来事・仕組みが交わったところに空想・理念・機能があります。
・空想(こころ×出来事) ー 出来事を見つめて感じたり考えたりした状態です。事実や体験の過程などを積み上げて実践的に理解した,いわゆる経験的な領域です。
・理念(こころ×仕組み) ー 仕組みを見つめて感じたり考えたりした状態です。理論的な内容や論理構造などを駆使して組み上げた,いわゆる学術的な領域です。
・機能(出来事×仕組み) ー 仕組みから出来事が生じる状態です。工学的な要素をはじめ,人知の及ばない自然摂理なども含む,厳密な関係性の先にある効果や効率,構造などの領域です。
こうやって見つめると,文系的や理系的,経験重視や理論重視の人などの考え方がどの領域の「こと」で占められているかを理解しやすいと思います。
どこにこだわっているのかを確認できますし,未来志向をもって先に進む際にはこだわりを推し進めるのか,違う領域を探るのかなどの方向性を明らかにすることにも利用できます。
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【本質】
領域が全て重なる中心に「本質」が位置づけられます。
ここでの本質とは,様々なコトの意味や価値です。
本質とは絶対的な真理や一般化される普遍性などとは異なり,関係性の状況に応じて常に意味や価値などが変容することを,この図は示しています。
例えば複数の人が同じモノ(対象)を見ても,そのモノに抱くコトは必ずしも一致しません。
各自の意味づけや価値づけが,そこに生じた本質です。
逆説的に言えば本質には常に3つの領域があり,あなたが意味づけ価値付けを確認し理解した時点での「結論(本質) 」には,常に3つの方向があるとわかります。
それを更に見つめれば,様々なコトへの深い理解にもつながります。
分からないことがあったとき,とりあえず中央に放り込む。そこから見つめることが始まる場合だってあります。
本質とは,誰かに断定されたり押しつけられたりするのではなく,あなた自身があなたらしさを見つめてつかんだ意味や価値などであって欲しいとの願いも込めています。
それは時と場合や感情の起伏などによってゆらゆらと揺れ動くことが多いのですが,そんな中にあってもコトを見つめ,過去・現在・未来における自分の立ち位置を確認しやすい思考法です。
人はさまざまな関係性の中で生きています。
その人が元来もっている個体特性に加えて,日常生活の中における関係性から生じた数多の経験が,その人らしさをかたちづくっていきます。
だからこそ「あなたらしさのかたちづくり」への自覚が大切なのです。
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【応用】
H.E.S.O.思考は,様々な「かたち」を認識する際にも利用できます。
例えば,ファクト(事実)やエビデンス(根拠)というビジネス等に登場する認識が,どのような思考の流れになるかを視覚的に確認できます。
そうすると,この二つで議論することには,決定的に欠けている要素があることが見つめられます。それが解釈です。
どのような事実や根拠をもってしても,見方考え方感じ方が異なると解釈は変容します。お互いの解釈の違いがどこに生じているかを確認し合い,すりあわせを行う上でも,このH.E.S.O.思考は役立つのではないかと考えております。
以上が簡単なH.E.S.O.思考の説明となります。
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【さらなる応用】
この汎用性にあふれるH.E.S.O.思考(こうなるとH.E.S.O.理論ですね)を用いると、従業員同士の目的意識を自覚させる際の企業研修や、モノのあり方を見つめる上でも役立ちますし,AI技術を組み上げる際のひとつのアルゴリズムとしても活用可能です。
また、世の中に出回っている「○○のための○○」といったハウツー内容などを分析的に見つめると、その根っこにはH.E.S.O.思考が働いているのだと理解できます。
そのあたりはいずれお話しする機会を設けたいと考えております。
更に深く突っ込むと、私がこれまで参考にしてきた教育学をはじめ、哲学、心理学などの学問や誰かが述べる理論的内容、このH.E.S.O.思考(へそ思考)ですら、この図の「仕組み」に押し込められます。
この構造のもたらす意味においては、「説明原理」というとらえ方をすることも可能かも知れませんね。
つまり、自分が理解不能な理論や理屈などに出会ったり、思考が堂々巡りを始めたりしたとき、そこに飲み込まれる前にこの図の「仕組み」に押し込めてしまえば、後に残った「出来事・こころ」には何が入るかを検討することによって、今の自分を俯瞰するきっかけを手に入れることも可能なのです。
多様性を重視するこれからの社会や,あなたの生活を豊かにするためのスタイルである「あなたらしさのかたちづくり」に,なにかしらのお役に立てれば幸いです。
(H.E,S.O. thinking:へそ思考)考案者 多田(Syun.Tad)