6月29日(土)13時40分より、東植田事業所にて第10回まなびあい勉強会(美術でつながる勉強会)を実施しました。
今回は千葉大学大学院教育学研究科准教授の神野真吾先生をお迎えして、「つくること、つくりかえること」という演題でご講演頂きました。
今回は学生4名、教員2名、学芸員3名、一般1名の参加があり、施設での勉強会としてはゆったりとした空間でした。
第二部のフリーディスカッションではそれぞれの感じていることを話し合うことができました。特にアートプロジェクトで疑問に感じている先生や、美術が自分の経験上役に立っていないと感じる方の意見が出されて、とても有意義な時間となりました。
この勉強会では、美術を通した活動をすすめるためのきっかけづくりを行っています。
参加者それぞれが感じていることを自由に発言すること、相手の考えを良く聞くこと、そのうえで自分の意見を伝えることが大切になります。
決してどれかの理論や意見に縛られることなく意見を言うのは、けっこう骨が折れます。
ときどき理解と容認をごちゃまぜにしている方がいます。
自分自身は理解はできても容認できないという考え方だってあるはずです。
だからといって否定するのではなく、そこで意見を述べ合えることは答えのない道筋をたどっているのですから、なかなか大変なのです。
でも、それをすすめることが多様性を理解することですし、その力を身につけるために美術が使われることが望まれると考えています。
特に神野先生のお話では共感することが多かったので、印象に残った点を紹介します。
ご覧になったみなさんの、何かのきっかけになれば幸いです。
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・つくることは技術の習得という学びでもあるが、技術の獲得は美術・図工の目的ではない。
・教育との関係を常に意識することが大切
・常に時代遅れになる危険にさらされている 現在必要か?の疑問をそれぞれが持ち続けること
・感性のチャンネルをたくさん持っていないと美術の重要性は語れない
・美術・図工は「多様なもの」を認める教科
・様々な体験を通して人間や物事を知る
・好き嫌いの感情を超えて対象への認識を深めること
・他の人たちと感じたり考えたりをやりとりして異なることを知り、自分の感性の幅を広げること
美術とはー「自分が更新されていく価値」
一般化しうる価値を見いだす
・展示というかたちにする(キュレーション)
・社会に活用する可能性を試す(アートプロジェクト)
・教科内容に反映させる(美術教育)
そのうえで、どんなところを変化させると良いかを考えることが大切である
大人になるにつれて「なんだこれは?」がなくなっていく。
目的があると、目的と無関係なものは見えなくなる。
新しいアイデアが出てこない、良さに気づかない・・・もったいない
もともとあったものを、別の使い方をしてみたらどうだろう、という考え方
リノベーションもそう。
新しい「しくみ」を作り出す、というアイデア
WiCAN(アート的視点とオルタナティブ的視点)
1 ワークショップ体験授業
2 プロジェクト事業の企画・運営
3 リサーチ・プログラム
アートが生かされる必然が提供され、感覚を生かした「作品」に仕上げる