【ことづくりに向かう基本姿勢】
ことづくりを行う上で前提となる姿勢が2つあります。
・自分を大切にする
・自分と周囲を俯瞰する
自分を大切にするとは,自己中心的や自己満足的な行為や行動ではありません。それでは単に抑えの効かない状態です。
人の数だけ想いがあります。あなた自身が想うように,あなたの隣でも同じように考えているのですから,わがままだけでは自分を大切に出来ているとは言えないのです。
人はさまざまな対象における関係性の中で生きています。
社会は人がかたちづくっているのですから,周囲も大切にすることで自分を大切にできるとも言えるからです。
でも「人のため」だけでは自分の立ち位置を見失ってしまう可能性があります。
ですから,自分も周囲も併せて俯瞰することが大切です。
俯瞰するというのは一歩引いて自分自身を見つめることです。更に周囲も見つめます。心理学的には「メタ認知」と呼ぶこの姿勢が,ことづくり生活で大切にして欲しいことです。
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【志向過程における4つの姿勢】
基本姿勢を踏まえた次に,志向の過程で大切にしたい姿勢が4つあります。
・みつめて
・ひきだし
・たかめて
・みまもる
これはあなた自身をはじめ,他者やペット,対象となる素材などにも該当します。
H.E.S.O.思考における全ての「こころ・出来事・仕組み」は,あなたが起点となって様々な関係性(かかわり)の中で生まれます。その過程では,この4つの姿勢が重要となります。
まずは対象を見つめ,向き合ったり分析したりします。そしてその対象のもつ可能性や能力などを受け止めて引き出す方策を探り,更にクオリティなどを高めていけば,後はその対象のもつ可能性や能力などを活かして信じて見守ることです。
この過程においては私たちが理解できない範囲も含めて,数え切れないくらいのコトが起っています。
それらを洗い出してまとめてみると、ことづくり生活の過程で大切な志向の姿勢とは前述の4つに集約できました。
これはあなた自身を伸ばすことはもちろん,部下や後輩,動物の飼育や植物の栽培,化学や工学系に関わる人たちの活動なども含む,全てに通ずる大切な姿勢だと考えております。
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【姿勢に必要な要素】
これらの姿勢を揺り起こす際に必要となる、最も根本的な意識もいくつかあります。
まずは未来志向です。
そして、世界を構成する様々な関係性を自覚し、その関わりを自由に分解したり再構築したり出来る自由度の高い意識(随意性)も必要です。
そのためには、イエスかノーかとか、賛成か反対かのような二項対立的な議論から得た答えで思考停止することなく、三項関係のなかでゆらゆらと揺れている感覚自体を楽しむ心意気も大切になってきます。
そして対人関係などと関わる際に必要になる要素が共通項探しです。
自分の外の世界においては、あなたが思うこと、相手が思うことが常に同一とは限りません。些細な解釈の違いや誤解などが認識のずれを生じて、意見がぶつかり合うことはみなさん経験がおありだと思います。その際には共通項探し(共通了解)によって、意味や価値などのすりあわせが必要です。
私はそれを『も』の視点をもちましょう、と説明しています。
あれがこれがと断定したりせずに済む場面では、あれもこれもと考えた方が見方感じ方考え方の幅が広がるからです。
でも、時には平行線のままだったり、ぶつかり合って収拾がつかなくなったりすることもあります。その時は一端保留することも大切です。
わかりやすく言えば「ま、いっか」と考えることです。
また、「おやおや」という俯瞰姿勢も覚えておくと良いでしょう。
このように見つめると、「ことづくり生活」は単なる生活スタイルと言うよりも、さまざまな人々にとっての生き方の多様性に繋がると考えております。
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【かたちづくり】
また、ことづくりに限らずものづくりにおいても、人の意志は介在します。
つくる(つくらせる)という行為から生まれるモノ。それが「ものづくり」です。
ことづくり生活では,それらを包括して「かたちづくり」と呼んでいます。
あなたが「かたち」から感じ取る情報も,「こころ」が生み出すコトです。
そして「つくる」という行為もまた,あなたが行うコト。
それば無意識であっても,意図的であっても同じです。
そう考えてみると,「人の想い ー こころ」の大切さが見えてきます。
こうして人が関わる「かたち」には,目に見えるかたちや五感を用いて心で感じ取るかたちなどがあります。
それらの表現方法には主に「言語・身体・音・造形」があると言われています。これらを誰かが操作して,はじめて表現が「つくられ」ます。そうして様々な「かたちづくり」は時間や場所や対象を変えながらも常に行われます。
あなた自身が行う,あなたらしさを未来志向で見つめた先にある「かたち」。
それらをつくりだす基本姿勢と志向の姿勢。
これが様々に関わりつくりだす「あなたらしさのかたちづくり」のための,「ことづくり」に込めた願いです。
なにしろ「答えは常にあなたの中にある」のですから,ね。
(ことづくり生活研究会 代表:多田)
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