へそ思考 ( H.E.S.O. overlap thinking )
( Heart / Event / Structure / Objects )

事務局より

◎「俯瞰と対話のコトはじめ」第2日曜 9:30〜10:30
◎「よろず相談室」第2月曜 19:00〜21:00 (ともに予約不要)

へそ思考とは

コト(反応)の6領域化から

正解のない世界を大胆に捉え,対立より共立を探る思考法

人は何か(対象)を把握する際に認識方法を様々に試みます。自らの経験か,知り得る理論か,もしくは直感からか。そして,これら3領域とその輻輳領域で,対象の本質を様々な方向から観察し,自分なりの「答え」を導きます。

 これは,コト(反応)はこの6境域で捉えられると大胆な仮説を立てて,思考の流れや原理を限界まで単純化し,主観の向きや特性,構造は同じでも自分や他者がどのような流れ(原因)で,その答え(結果)を導き出しているかを丁寧に分析し,お互いの共通点や差異などを掘り起こす思考法です。 (本図はへそ思考の原理を一般的な言葉に置換しています)
 

プチ解説:へそ思考

常に「なぞ」から3つの視座を得る

私たちは,常に多くの「なぞ」に晒されてながら暮らしています。その「なぞ」は好奇心や不安感をかき立てますが,へそ思考は気になる「なぞ」を分解・分析・再構築するお手伝いをします。日常的に湧き出すあらゆる対象を解釈・事実・仕組みの3領域から迫ってみると,不足した視点や堂々巡りをしている状況も判りやすくなります。例えば経済セミナーに参加して仕組みを学んでも,個別の事実や解釈をきちんと分析しないと本質を見誤ります。へそ思考は,人それぞれがモノゴトを思考して志向する際に行き詰まりを防いで視点を広げますが,あくまでも自分なりの答えを導く道具ですから普遍的な真理を示すわけではありません。
 


ことづくりを支えるへそ思考
〜「○○とは?」に寄り添う〜

1. あらゆる対象との対話

自分の心や概念,他者や社会の仕組みなどと対話する

私たちの日常には,既に決まったルールやモラルのような規則はあっても,それを絶対的な「正解」とは言えないことも山ほどあります。「どうして」という疑問は,すぐに解決できそうな素朴な疑問から,難解すぎて理解が追いつかないことまで様々です。何を理解し,理解できていないかなども「自分自身との対話」から始まると考えると,人は何らかの対象と常に対話を試みながら暮らしていると言えます。その際に,対話の解釈域を広げるお手伝いをするのが【へそ思考】です。
 


2. ふたつの「あいだ」を探す

「あいだ」の概念が,拡散と選択の両輪を回す

現代はめまぐるしく変化する社会への対応を迫られ,選択や集中などの判断を要求される場面が増えています。それを「正しさ」への判断を要求されていると考え,ひとりで悩んだり他者に判断を強いたりする人たちも増加しているのかも知れません。そんな時には,三項目の「なにか」はないのかと試行し,争点とは違う視点などを加えたり多様な選択肢を得たりすることで,AかBかの選択肢だけではない,Cという合意点を探るお手伝いをするのが【へそ思考】です。
 


3. 手間をかけて丁寧に暮らす

敢えて不便に飛び込んで,暮らしの目線を変えてみる

便利から一端距離を取ったり,敢えて不便(セルフの度合いが高まる)を楽しむ暮らしかたには心を豊かにする要素が隠れています。趣味や特技(こだわりたいコト)も色々あるように,自分らしさのある「答え」も人の数だけあって,それを個性を呼ぶことも出来ます。そんな多様な答えを「自由研究」として楽しむ暮らしかた。また,その共通領域と向き合えば,本質的な領域も見えてきます。どこに手間や丁寧さを加えたいか等の問いとじっくり向き合えるのが【へそ思考】です。
 


4. 曖昧さと明確さの往還

不安や安心を行き来して,世界は広がり深まっていく

人は問いを発する時,不安感や曖昧さなどで迷っています。そして納得できる答えを得た時,安心感や明確さなどで腑に落ちたと感じます。ところが答えを得ても,本当にそれで良いのか,とか,間違ってないよね,という答えに対する疑問も湧きます。このように何かを「考える」時,常に曖昧さと明確さの往還を繰り返します。ここでは曖昧さは世界をリッチに,明確さは世界をリアルにすると考え,その際に自分が気になる領域や深めたい領域などを明示してくれるのが【へそ思考】です。
 


5. 価値の問いに置き換える

是か非かではなく,多様さをつくりだす機会を楽しむ

生活スタイルや心情,理念や宗教観などが異なる地域や文化圏では,社会にあるモノやコトへの捉え方や価値観も違います。多様な価値観は無理をせずにあなた好みで受け止めれば良いのですが,全てを受容しないといけないと思い込みがちです。受容を強要された価値観は,いつしかその価値を受容するか否かという存在への問いに変容し,どちらかに決めつけがちです。そんな時などに,存在の問いを3領域を基にする価値の問いへと置き換えるお手伝いをするのが【へそ思考】です。
 


6. 突破力を鍛える

現状分析から未来への対策までを練る

ビジネスに限らず,何かを打ち破りたい時に,尖って勢いで飛び出すだけが突破力ではありません。まずは現状分析と共に「それもありかもね」と数多い価値観にまみれる。人それぞれがもつ見方や感じ方や考え方などの差異を探ったり,幾つかの中から選択するだけではなく,共通点を創造的につくりだす活動も大切です。多くの人が認識している部分を共通了解として問題の本質を洗い出せば,解決への道しるべを導き出すきっかけをつかめます。その歩みの進め方の検討もお手伝いするのが【へそ思考】です。
 


7. セルフを徹底する

任せる「こと」・やり遂げる「こと」

私たちの身近な暮らしにある便利とは,とても居心地の良い状態です。それをビジネスに繋げるとサービスになります。今では普通のサービスも,時代のニーズでつくられてきました。便利であれ不便であれ,多様な暮らしかたが認められてきた現在でも,人は「何のために生きるか」という価値の問いの上に暮らしています。そしてサービスのないサービスという業態が生まれたのも必然でしょう。人に任せること,自らやり遂げることなど,力点の置き場を明確にするのが【へそ思考】です。
 


8. あなたらしさを更に磨く

あなたらしさは常にあなたの中にある

あなたはたったひとりのかけがえのない存在です。人は自分の主観を越えられませんから,あなたの主観に入り込んであなたを完璧に支配できる人もいません。あなたを一番理解できるのも,ごまかせるのもあなた自身です。何かを信じ,何かに託すのもあなた自身です。あなたらしさは常にあなたの中にあり,そこに最初から最後まで寄り添い,見出し,引き出し,高めて,見守るのもあなた自身です。あなたの可能性を未来志向で組み上げるお手伝いをするのが【へそ思考】です。
 

※ 本サイトの記載内容について:
「ことづくり生活」「へそ思考」,モノやコトの分析などは,ことづくり生活研究会主宰者 多田の独自研究であり,内容の一部を公式ブログや学会研究発表等で公開しておりますが,書籍等を発行するには至っておりません。より良い暮らしのかたちを志向するひとつの思考法として,主に心理学や教育学,哲学などを参考にしながら,日々実践と研鑽に取り組んでおります。お問い合わせ,ご意見,ご助言等は事務局までお寄せ頂ければ幸いです。